2017年10月12日木曜日

『アナログ』


10/12 『アナログ』

自分には文才というものが無い。
ここで言う文才は全く無いというわけで無く
何かを表現したいときにそれを文章にする
文才というものが無くって

だいたい何か思いを頭に巡らせてから
それを文章にして人の目につく場所に出すまでタイムラグが生じている。

12日ならまだ許容の範囲だけど
1ヶ月~2ヶ月はよくあることで
その間に考えも変わってたりして
またそれを消して書き直しての繰り返しで
『よく本を読んでいるのに?」って思われるけど
実際、読む能力と書く能力は比例するものでも無いと思う。

ただ、今回はタイムラグを経ても不変的な考えだと思い表現をしようとblogにしてみた。

って、

この文章もこれから書く文章に加筆したようなものである種のタイムラグが生じてる
この前、ビートたけしの初めての著者
『アナログ』を読んだ。
instaglamにも簡単に感想を書いたけど日に日にあの本を読んで以来
自分の心のどこからか場所はわからないけど湧き出るものがあり
備忘録としてblogに残そうと思う。

読書家というご立派な肩書きは恥ずかしいら
ここでは「ただの読者好き」として言うと、
内容はお世辞にもすごいとは思えるものでもない。
きっと執着地点はこのあたりになるのだろうと簡単に想像しながら読める作品だ。

じゃぁ、なぜ僕がこんなにも
この著者に感動を覚えてしまうのか


それは、文章から溢れ出るものではなく
ビートたけしのこの作品にかける思いと
挑戦。そしてこの題名「アナログ」である。


もっぱらTVはニュースぐらいしか見ないようになったけど
ふと深夜につけたNHKで見たインタビューで答えた内容が印象的だった。

『又吉が後輩のくせに芥川賞を取りやがって腹立たしくって、又吉が書けるなら俺にも書ける。』

芸歴も芸能界のランクでさえも下になる
又吉をこれでもかと賞賛し
そして、芸能界での地位も極めているのにも関わらずまだ上を目指すという姿勢。

正直、人間ってうまく出来ていないから
当たり前のように得意・不得意なものがあって
できないものに対して出来ないってわかると諦めたくなるのも
人間の性であるけど

70歳にしてもなお上を目指し続ける姿勢を
まじまじと見せつけられてしまった。

作品は、ビートたけし・北野たけし初の純愛小説。
出会うこともなかった2人が、
LINEや電話ではなくただ毎週木曜日6時に
初めて出会った喫茶店で出会うというストーリーになっている。
彼女が残す
『「お互いに会いたいという気持ちがあれば、絶対に会えますよ」』

作品の中で主人公である男は、
木曜日が終われば次の一週間までの日を待ち遠しくなり
その間の日々の中の片隅ではなく真ん中に”彼女”の存在があり
仕事ももちろん全ての矢印が”彼女”へ向けられ『依存』という
言葉ではなく本当の意味の『大切な人』として
”彼女”に会いたいという思いで毎日を過ごすというシーンがある。

LINEやメールアドレスも知らなければ電話すらも知らない。
もちろんどこで生まれたか。
何をしているのか。
どんな人なのか。
誰と付き合ったのか。etc

少し話は戻るけどNHKのインタビューの中で
『アナログ』という表題を決めた理由は?という問いかけに
「もう古い考えになるけどあまりにも便利な世の中でお互いを想い大切にする気持ちとか
本当の人と人の付き合いが出来にくい。結婚だってお互いのことじゃなくってその後ろの家族とか金とか
そんな付加価値を評価される時代だろ。」


僕が生まれ物心がついた頃には、『デジタル』というものが溢れていて何もかもが
『デジタル』の恩恵を受け便利だなぁって感じるよりもそれが当たり前の環境下で育った。
簡単に友人とのコミュニケーションも取れてしまい
なんなら携帯のメールの交換から始まる恋愛もそこら中にあったりした。

そして今、全く会ったことない人の生活や趣味、思考。
その他諸々が手に取るように分かる時代になった。
SNSがコミュニケーションの全てを変えてしまった。って思ったりする。

現実の自分よりも少し、いや3倍増しで生活を豊かに見せないと
『いいね』という絶対的評価をもらえないし
その『いいね』の数が少ない多いで人間としての影響力にも影響を及んでしまう。

もちろん僕はその恩恵を100%受ける人間で否定をするつもりはさらさらない。

ただ少し寂しく思うのは、
この恩恵のおかげで人と人の距離感が近くなりすぎたことなのかなって思う。
近くなり遠くなってしまったのかなって思う。

僕は、3年ほど前から人付き合いを変えた。

少しさみしいと思われるけど
本当に相手を大切にしたいと思うのであれば
『何もお互い干渉しすぎないこと』なのかなって思う。

別に『いいね』をつける必要もなければ
コメントもする必要もない。

でも、その人が嬉しくなった時には
心からの祝福を
その人が寂しくなった時には
そっと支える言葉を
その人が

SNSを始めとするコミュニケーションツール、
そして「デジタル」という手錠をはめられてがんじがらめにならないように
今、大切にしたい人を改めて大切にしたいって思う。

最後にビートたけしはこう締めくくっている
「自分のすべてをかけて誰かを大切にするってどういうことなのか、この小説で書きたかったんだ」

素敵な本に出会えてよかった。
だってこの先もこれからずっと先も
自分の「アナログ」な部分を好きになれる気がするから。





小野寺奨 個人HP  ただの表現の場所 

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